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番外編 ごめんね、

庭にふと目を遣ると、強面の男達が外で睨みを利かせながら彷徨いていた。 ご近所さんに迷惑を掛けるからと普段は3人くらいなのに、数えてみたら10人以上いた。こんなにも厳重な警備体制を敷くなんて……ちょっと大袈裟じゃないかな。そう思いながらスマホに保存してあった組員の写真を確認してみた。菱沼組の組員は2人だけで、あとは全く知らない人達だった。 「上総さんも、嫁と孫のことになると人が変わりますからね。腕が立つ若い衆を弾よけに寄越したんですよ」 (あの橘さん………) 聞いたら怒られるかな? こんなにも厳重な警備体制を敷くということはつまり、僕や子供達の命が狙われているってことでしょう? 見えない影に怯えながら、不安げな瞳で橘さんを見上げると、 「未知さんは何も心配しなくていいんですよ」 柔らかな笑顔で見詰め返された。 (橘さん、そうじゃないの。僕の為に傷付く人を……ーー) あれ? この言葉、どこかで言ったような……… 腕に微かに残るずしりとした重み。 いつも守られてばかりで、そんな自分が不甲斐なくて……… それ以上はなぜか思い出せなかった。 思い出そうとすればするほど胸が締め付けられるくらい苦しくなって、息をすることでさえしんどくて、頭がくらくらしてきた。

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