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番外編 穏やかで愛おしい日々
「未知さんにとって、貴方と風呂に入るのは゛初めて゛何ですよ。それをちゃんと分かってますか?」
「おぅ」
「未知さんと一緒にお風呂に入ると、いつも暴走して、結局最後は未知さんを泣かせるでしょう。違いますか?」
「それは、その…………」
急に歯切れが悪くなる彼。視線が宙をさ迷っていた。
「未知さんが嫌がることを無理強いしない。少しでも怖がっていたら、先に上がってきて下さいね。あとは私が介抱しますから」
「ちょっと待て!お前も一緒に入る気か?」
「駄目ですか?お互い裸は見慣れているでしょう。それとも人妻になった私に遠慮しているんですか?」
一切手加減することなく容赦なく突っ込まれて、彼、顔を真っ赤にしたじたじになっていた。
ん?人妻?
あれ、もしかして橘さんって結婚してるの?
「遥琉から何も聞いていないですか?」
うん、素直に頷くと橘さんの眉間にどんどん皺が寄っていった。
「あとでお仕置きが必要ですね」
彼をじろりと睨み付けた。
那和さんと紗智さんが、何で橘さんがおっかないって言っていたか、ようやくやっと分かったような気がした。
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