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番外編 穏やかで愛おしい日々
「あのな鷲崎…………」
怒るにも怒れなくなった彼。
呆れたように肩でため息をついていた。
「綺麗なお姉ちゃんじゃなくて悪かった。四十過ぎのおっさんで」
「な、七海!」
ぬっと七海さんが姿を現したものだから、鷲崎さんが急に慌て出した。
「なかなか戻ってこないから、未知に何かあったんじゃないかってすごく心配していたのに。貴方という人は…………」
ムスッとして鷲崎さんを睨み付けた。
「貴方とは寝ません。たいくんと寝ます。未知、たいくん借りるよ」
すっかり臍を曲げてしまった七海さん。
替えのオムツを橘さんから受け取ると太惺を鷲崎さんの腕の中から抱き上げて自分の部屋に戻っていった。鷲崎さんはひたすら謝りながら七海さんの後を追った。
心望も遥香も、紗智さんと那和さんにしがみついて離れなくて。自分達の部屋に連れていってくれた。橘さんも同じ部屋だから心配はない。
これだけ周りが賑やかなのに一太はすやすやと眠っていた。
寝顔を眺めていたら、ゴボンとわざとらしい咳払いが聞こえてきた。
ごめんなさい、遥琉さん。
「いいよ、未知はみんなのものだから仕方ない。それよりも、早く来いよ。たまには一緒に寝よう」
布団を捲り、シーツをポンポンと軽く叩いた。
あの、遥琉さん・・・・・
やっぱりまだ恥ずかしくて。シャツをぎゅっと掴んだ。
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