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番外編 命をかけた彼の一途な想い

「ハルちゃんおいで」 橘さんがドアから顔を出し小声で遥香を呼んだ。 「なんで?」 「パパとママたち、これから大事なお話しがあるので、お兄ちゃんと紗智さんと那和さんと一緒に待ってましょうね」 「はぁ~~い‼」 ちいさな右手を上げて大きい声で返事をすると、橘さんと仲良く手を繋いで部屋を後にした。 「未知、あのな・・・・・」 鷲崎さんに促され、重い口を開いた彼。 ようやく知らされた真実はとても哀しいものだった。 全部僕のせいだ。 ごめんなさい。 とりかいさん……… 「何でそんなに息子を恨むんですか?真珠に接見しに行った未知の両親が彼女にまず始めに聞いたそうだ。昔は年の離れた実の姉と弟みたくあんなに仲が良かったのに、何でって…………たく、相変わらず泣き虫なんだから」 彼がクスリと笑ってハンカチで目元を拭いてくれた。そのとき初めて泣いていることにようやく気が付いた。 「真珠は何も答えずゲラゲラと笑って、それなら息子の代わりにあんたらをぶっ殺してやると二人に掴み掛かった。あまりの変わりように二人とも唖然として開いた口が塞がらなかったみたいだ。おっ、何だ太惺?俺と遊んでもらいたいのか。もうちょっと待ってろ」 あーうーと、ネクタイを引っ張ったり、口に入れたりと、機嫌良くおしゃべりする太惺に、笑顔で話し掛ける鷲崎さん。 七海さんに抱っこしてもらってる心望も同じようにネクタイで遊んでいた。さすが双子。やることが同じだ。

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