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番外編 命をかけた彼の一途な想い

「姐さん……」 鳥飼さんは驚きながらも、 「弾よけとして当たり前のことをしただけだ。だから謝ることはない」 嬉しそうに顔を綻ばせてぎゅっと手を握り返してくれた。それを見た彼が、 「おぃ鳥飼。人の女房の手をべたべた触るな‼馴れ馴れしい」 むっつりした表情を浮かべ、喉からうなり声を上げた。 「オヤジ」カタンとドアが開いて男性が二人入ってきた。彼くらいの大人の男性と、僕と同い年くらいの青年で、人目を憚ることなく仲良く手を繋いでいた。 「未知、焼きもち妬きの亭主の面倒は俺達がみるから、鳥飼と腹を割ってちゃんと話しをしろ」 「ふざけるな。未知に何かあったらどうするんだ?」 「鳥飼は誰よりも未知を大切に想ってる。傷付けたりは絶対しない」 「颯人……」 苦虫を潰したような表情を浮かべる彼。 渋々ながらも、颯人さんという男性と一緒に一旦廊下に出た。 「未知、初めまして………じゃないけど、僕は九鬼睦。播本さんと養子縁組して、彼と一緒になって、今は茨木睦。未知にどうしてもお礼が言いたくて……言いたくてもずっと言えなかったから……ありがとう未知。こんな僕に優しくしてくれて、なのに何で……」 睦さんが目頭を押さえ、ズズっと鼻を啜った。

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