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番外編 命をかけた彼の一途な想い
「あれ、絶対酔ってますよね?」
「ここに着いてからちょこちょこ缶ビールを呑んでたから………未知も、紗智もごめんね。たく、また部屋住みに戻りたいのかな」
光希さんが立ち上がろうとしたら橘さんが止めた。
「光希さんは行く必要ありませんよ」
「だって注意しないと」
「大丈夫です。千里がいますから。そのうち雷が落ちます」
「俺が怒るより千里に怒ってもらった方が効果覿面かも知れない」
「ねぇ、ねぇ、あちょんで」
トコトコと駆け寄って来た遥香を、光希さんが笑顔で抱き上げてくれた。
「ハルちゃん、うちの子になる?むさ苦しい男所帯だけど、どうかな?」
うーん?と不思議そうに首を傾げる遥香。
理解するまではちょっと難しいかも知れない。
「ちょっとあんたら!」
千里さんの怒鳴り声が響いたのはその直後だった。
普段の千里さんとは全く違うドスのきいた男性の声に、遥香も紗智さんも那和さんも吃驚していた。
彼と地竜さんは我慢比べをしているのかな?それから三十分近くお風呂から上がってこなかった。
彼と一太と遥香にじーと見られながら、塗り薬を傷口に塗り、なるべく力を入れないように慎重に包帯を巻いた。
彼と地竜さんは一言も発せず、腕を前で組んでずっと牽制し合っていた。
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