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番外編 命をかけた彼の一途な想い
「本当にあなたという人は・・・・仕方がないですね。今日だけ特別ですよ。地竜 さんから常に死と隣合わせの危険な任務だった。それなのにあなたも鞠家さんも逃げることなく立派にやり遂げてくれたと聞きました。ご褒美何がいいですか?」
「褒美?マジか?お仕置きじゃなくて?」
柚原さんの表情がぱぁ~~と明るくなり思わず身を乗り出した。
「えぇ」
にっこりと微笑む橘さん、こんな風に笑う姿、はじめて見たかも知れない。
「まず、ギュッと抱き締めたい。それから、鞠家が紗智にいつもしているみたいに全身を舐め回したい」
まさかの柚原さんの言葉に居合わせたみんなが唖然とした。
紗智さんは頬っぺたをこれでもかと膨らませ鞠家さんを睨み付けた。
「ごめん、本当にごめんなさい」
両手を合わせ紗智さんの機嫌が直るまでただひたらすら謝り続けていた。
彼も千里さんもどうしていいか分からなくて苦虫を潰したような表情を浮かべていた。
「了誓さん部屋に戻りましょうか?」
橘さんがすっと右手を差し出した。
「今、了誓って………」
名字じゃなくて、名前で呼ばれたのがよほど嬉しかったみたいで、目を潤ませながら橘さんに抱き付くと、頬っぺたに頬をスリスリしていた。
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