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番外編 彼からの告白

翌朝、目が覚めたら彼が隣にいなくて、半纏を羽織り、子供達を起こさないように、足音を忍ばせそぉーと廊下に出ると、彼と橘さんが仲良く立ち話しをしていた。 (あっ………) 僕は二人を見詰めたまま動けなかった。 今まで他に人がいても、二人が話しをしていても声を掛けられたのに……… なにか話しては微笑み合っている二人の様子はあまりにも絵になっていて、間に入れない気がして。 そうしているうち、警備担当の若い衆が二人に駆け寄り声を掛けると、肩を並べ一緒に階段を下りていってしまった。 (何をしているんだろう、僕………) 胸がドキドキして、頭の中が一瞬真っ白になった。 『橘とは二十年近く寝食と苦楽を共にしてきた仲だ』って、彼が話してくれた。 結婚して四年目の僕と、橘さん。 比べればどちらが大事か考えるまでもない。 そう思った途端、胸がズキリと疼いた。 次いで焼けるような痛みがじわりと広がっていった。 (大好きだって彼、言ってくれたのに………) 心臓が、胸の奥がギュッと締め付けられ、呼吸が荒く、速くなってきて、息苦しくなってきた。 そのとき階段を駆け上ってくる足音が聞こえてきて、逃げるように寝室に戻った。

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