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番外編 スーレン スー

思い出すのが怖くて全身が震えた。 呼吸が荒くなり胸が苦しくて。 ひとまず落ち着こうと目を閉じると、「マー」紗智さんと那和さんの手が、左右の手の甲に静かに重ねられた。 二人の手も微かに震えていた。 怖いのは紗智さんも那和さんも一緒なんだ。そう思ったら少しだけ心が軽くなった。 茂原さん。フルネームは茂原真於(しげはらまお)さん。 11年前と姿、形はほとんど変わっていない。背が低く童顔のせいか、三人の少年の方が茂原さんより年上に見える。 右端の赤毛の少年は意志の強そうな鋭い目でこちらをジロリと睨み付けていた。 真ん中の少年も短い髪を茶髪に染めガンを飛ばしていた。 左端の少年だけはそっぽを向き、カメラから目を逸らしていた。 年の離れたこの4人にどんな繋がりがあるのか予想も付かなかった。 ん、黒子………? はじめ気にも止めていなかったけれど、よくよく見ると右目のすぐ下に見たことがあるかも知れない泣き黒子があった。 「どうした未知?」 怪訝そうな面持ちで覗き込まれた。 とその時、背後から音もなく伸びてきた手に写真をすっと抜き取れた。

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