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番外編 スーレン スー

『最初に謝る。ごめんな。きみを守るためとはいえ俺は嘘を付いた。すぐにバレるだろうと思っていたが、皆きみが俺の妻だと信じてしまった。本当にすまない』 地竜(ディノン)さん謝らないで。 あなたがいなかったら、僕も、子供たちも、おなかの子もみんな助からなかったもの。 『未知、炎竜は茂原を利用して浩然(レオハン)の関係者をすべて抹殺する気だ。だから『浩然の妻』とされているきみの命をまず手始めに狙ったんだ。一度目は真珠が邪魔に入って失敗に終わったが、二度同じヘマはしない男だ。卯月は炎竜や茂原と刺し違えてもきみや家族を守ると言ったが、俺は未知や子供たちを連れて逃げてくれと頼んだ。そのくらい炎竜は危険な男だ』 地竜さんとそんな話しをしていたら彼が戻ってきた。 泣き黒子のこと伝えなきゃ。そう思って彼にスマホを渡した。 『あれ未知は?』 「悪かったな俺で」 イライラしながらもスピーカーに切り替えてくれた。 「未知がお前に伝えたいと。えっと………泣き黒子?」 メモ帳に書いたことを読み上げてくれた。 すると地竜さんが一瞬、息を飲んだのが分かった。 「未知が火事の時見た男はやはり炎竜だったのか?」 『いや………違う』 地竜さんの声のトーンが下がった。 『スーレン スー』 「どういう意味だ?」 『そこにいるサツに伝えておけ。スーレン スー………死人は甦ったとな』 「おぃ、地竜!」 ブチと一方的に電話が切れてしまった。 すぐに彼がかけ直したけれど、繋がることはなかった。

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