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番外編 真の黒幕
「俺はまだ捕まるわけにはいかないんだ。茂原、永山、樋山この三人に復讐するまでは」
大きな声で叫ぶと、銃声がまた鳴り響いた。
いてもたってもいられず立ち上がろうとしたら、
「未知まだ駄目だ」
鞠家さんに引き止められた。
「茂原がどこでお前を狙っているか分からないんだ。大人しくしていろ」
遥琉さんに何かあったら僕、生きていけない。
お祖父ちゃんと惣一郎さん、それに蜂谷さんや駐在所のお巡りさん、みんなに世話になってるのに。首を横に振った。
「大丈夫だ。誰も怪我をしていない」
本当に………?
決して鞠家さんを疑う訳じゃないけれど。
「あぁ」
不安を払拭するかのようににっこりと優しく微笑んでくれた。
「一太、ハルちゃん、もうちょっと我慢出来るか?」
「うん」「はぁ~い」
「二人とも偉いな」
一太と遥香の頭を撫でてくれた。
それからどのくらい時間が経過しただろうか。目を開けてもいいぞ、鞠家さんのお許しがようやく出て、パパとじぃじが迎えに来るまで一緒に遊んで待っていようか。鞠家さんが紗智さんと那和さんと一緒に子供たちの気を紛らそうと一緒に数を100まで数えたり、しりとりをしたりして遊んでくれた。
それまでし~んと静まり返っていた部屋が、あっという間に子供達の明るい笑顔と賑やかな笑い声で包まれた。
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