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番外編 護るべき大切なひと
「言わなくても分かってるよ。タマに人殺しは出来ない。お前と俺、何年付き合っていると思っているんだ?」
「かれこれ8年だ。お前のカミさんよりずっと長く付き合っている」
「タマ、変に誤解を招くような言動は控えた方が…………」
「何で?本当のことだろう。あぁいうのがタイプだったんだ。言ってくれれば、俺だって………」
「あぁ~~」
後ろめたいことでもあるのか鞠家さんが急にそわそわし始めた。
「ちょっと待て。それ以上は………」
話題が変な方に逸れて、あれ?これってもしかして………痴話喧嘩?
付き合っているってさっき話しをしていたし、鞠家さんと玉井さんって昔、恋人同士だったのかな?彼と橘さんみたく。
「未知、那和、タマとはそんなやましい関係じゃないんだ。誤解しないでくれ」
身ぶり手振り必死に否定して、額に汗を滲ませかなり焦っていた。
普段とはまったく違う鞠家さんに那和さんがぷぷと笑いだした。
「あのね鞠家。俺達はコイビトだったってしか聞こえないよ。それじゃあ。でも、紗智は器、小さくない………あれ?違うな、そうだ!器が広いから、ちゃんと話したら?黙ってないでさぁ」
「だからそう関係じゃあ…………みんなでそういう目で見ないでくれ」
ますます追い込まれた鞠家さん。
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