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番外編 いちたとハルちゃんの、ママの記憶を取り戻せ‼大作戦‼

「俺だけいつも留守番。千里の名代として組を守らないといけないのはわかる。分かるけど俺だって千里や裕貴に負けないくらい妹が可愛くて仕方ない。心配でしょうがない。役に立てることがあるなら役に立ちたい。だから、会いに来た。未知、さっき千里から聞いた。俺の顔と名前を覚えていたって……ありがとう」 笹原さんの逞しい腕が背中に回ってきて。 感謝の言葉を繰り返しながら優しく抱き締められた。 「おぃ!!」 むっつりした表情を浮かべ彼が唸り声を上げた。 「笹原、何しに来た?未知に会いに来たというのはあくまで口実なんだろう」 彼が鋭い目付きで笹原さんに詰め寄った。 「流石勘が鋭いな。年下女房にすっかり骨抜きにされて覇気がなくなったとてっきり思っていたが」 「は?そういうお前こそ。妻の尻に敷かれているボンクラの昼行灯と揶揄されているが、それはあくまで世間を欺く為の仮の姿。本当は俺にも負けないくらいの愛妻家で父親譲りの策士」 笹原さんがくくくと声を上げて笑った。 「何がおかしい?」 「笑ったりして悪かった。俺は妻の側にいるだけで幸せを感じているただの男だよ」 笹原さんが足元に目を向けた。遊んでとばかりにズボンを引っ張る一太と遥香を目を細めて見詰めると、 「じゃぁ隠れん坊して遊ぼうか?おじちゃんが10数えるまでに隠れろよ。いち~~に~~」 「ささはらさん、かぞえるのはやい」 一太と遥香が慌てて走り出した。 数をゆっくりと数えながら、上着の内ポケットに手を入れ、茶封筒を彼の目の前にすっと差し出した。

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