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番外編 遥琉さん、ありがとう
「バーバから聞いた?」
「何を?」
「やっぱりいい」
紗智さんが首を横に振った。
僕には言いにくいことなのかな?
それとも彼なりに気を遣ってあえて僕には言わず、紗智にだけに伝えたのかな?
「教えてもらってもいいかな?無理にとは言わないけど。それにね、大丈夫だよ。ちょっとやそっとのことでは驚かないから」
補足すれば多分、だけど。
「そう、じゃあ」
紗智さんがぽつりぽつりと話しはじめた。
「リーが生きてる、噂が真しやかに流れてる。リーを崇拝する僕(しもべ)、勢力を盛り返す機会を虎視眈々と狙っている。地竜(ディノン)も命を狙われ、身動きが取れないって・・・・また、はじまるのかな、無益な争い・・・・・」
紗智さんの肩が微かに震えていた。
「やっと幸せ掴んだのに・・・・高行さんやマーやバーバとやっと巡り会えたのに・・ ・・・・なんで、そっとして置いてくれないのかな。悔しい」
首を捻って後ろを見ると、背中に顔を埋め紗智さんが声も立てずに静かに泣いていた。
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