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番外編 姐さんの弾よけは俺だ!
「姐さん、大変です‼」
若い衆が息を切らしドタバタと駆け込んできた。
「寝ている子供がいるのよ。静かにしなさい」
紫さんに注意され、
「すみません」
しゅんとして頭 を垂れた。
「で、何が大変なの?」
「地竜 の直属の部下だと名乗る黄 という男が姐さんに会わせて欲しいと下で騒いでまして」
「もしかして俺の出番か?」
颯爽と上着を羽織ながら柚原さんが姿を現した。
黒竜と当局に隠れ家を急襲され、咄嗟の判断で黄さんらを逃がした地竜さん。
「日本に行け。妻を炎竜や茂原から守ってくれ頼む。そう言われたらしい」
「彼は不死身だ。大丈夫だ。そう言ってる」
紗智さんと鞠家さんが黄さんの言葉を訳してくれた。
「姐さんの弾よけは俺だ」
ガタンとドアが開いて、鳥飼さんが右足を引き摺りながら事務所に入ってきた。
「おぃ鳥飼、まだ動ける身体じゃないはずだ」
「こんな大変なときに俺だけのうのうとしているわけにはいかない」
手を貸そうとした柚原さんに、
「大丈夫だ。一人で歩ける」
そう言うと黄さんの前で立ち止まった。
「地竜から言われたのはそれだけじゃないはずだ。違うか?」
鋭い目付きでジロリと見下ろした。
しばらく睨み合ったたのち、クスリと黄さんが自嘲した。
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