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番外編 姐さんの弾よけは俺だ!

『相変わらず察しがいいな、さすがだ』 黄さんが身を屈め、革靴を脱ぐと中敷きをびりびりと剥がした。 そこに隠してあったのはメモリーカードだった。 『サツに持っていっても恐らく上の指示で揉み消される。日本のサツも中国と同じだ。マスコミに流せ。そう指示された』 奥の部屋で呑んでいた度会さんや弓削さんらも集まってきた。 『未知はボスの愛人(アイレン)だ。守るのが当然だ』 黄さんからメモリーカードを渡された鳥飼さん。ぎゅっ、と片手で握り締め、負けじと睨み返した。 「たく、困った連中だ」 玄関の扉の前で互いに牽制しながら警備にあたる鳥飼さんと黄さんにやれやれとため息をつく柚原さん。 どちらも一歩も引かず、顔を見合わせばプイとそっぽを向く始末。 「取り敢えず様子をみましょうか」 橘さんがパソコンを操作しメモリーカードに保存されてあったデータを彼に送信し、プリントアウトしてくれた。 すぐに解読出来ないように、わざと中国語と英語と日本語をごちゃごちゃに組合せ、まるで暗号のような文章にみんな頭を抱えていた。 その一方で…………… 「高行さん、ちょっと待って。ここちゃん寝かせるから」 「待てない」 「もう、高行さんのイジワル」 「もっとイジワルしてやろうか?」 「だから、触っちゃだめだって」 紗智さんに構ってもらいたくて、後ろから抱き付き、甘えるように頬を柔らかな髪にスリスリする鞠家さん。 人目もはばからずいちゃつく二人に、みんな呆れていた。一太と遥香には見馴れた光景なのかさほど気にすることなくテレビの前にちょこんと座り仲良く幼児番組を見ていた。

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