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番外編 姐さんの弾よけは俺だ!
「ネットに詳しくて、英語と中国語にも詳しいのは………」
柚原さんの視線が自然と二人に向けられた。
「ん?」
背中にチクチクと刺さる視線をはじめ無視してやり過ごそうとしていた鞠家さんだったけど、
「高行さん、バーバより怖い橘さんの雷が落ちる」
紗智さんにそう言われ、
「たく、しょうがないな」
頭をかきながら、面倒くさそうにパソコンの前に移動した。
紗智さんも心望をあやしながら、鞠家さんの隣に静かに歩み寄った。
「これは・・・・・」
数分もしないうちに紗智さんが驚きの声を上げた。
「どうした?」
「俺、何書いてあるか分かったかも。高行さん、ここちゃんみてて」
紗智さんが抱っこしていた心望を渡そうとしたら、思いっきり下唇を伸ばし今にも泣きそうになった。
「泣くなよ。泣いちゃ駄目だぞ。紗智、なるべく早くしてくれ」
「俺、青蛇のアンダーボスだったとき、黒竜の暗号文の解読、何度か浩然に手伝ったことある」
そう言いながら、パソコンの画面を覗き込むと、すごい早さで紙にペンを走らせた。
「橘、遥琉や千里にすぐ連絡しろ。黒竜の狙いは昇龍会そのものだ。ありもしない罪をでっち上げて、罪を擦り付けるつもりだ」
「どういう意味ですか?」
「違法薬物を密かに中国から密輸して売りさばいているとネットに流す。嘘でも信じる輩いる。なるほどな、ただでさえ敵が多いからな。サツもこれをいい口実に昇龍会を一気に潰しにかかるだろう」
紗智さんが書いた中国語を鞠家さんが訳してくれた。
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