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番外編 姐さんの弾よけは俺だ!

「あれ?」 南先生がキョロキョロと辺りを見回した。 「パパそっくりの息子さんと、ママそっくりの娘さんは?」 「一太くんとハルちゃんはおうちでお留守番しています」 「そうなんだ」 今頃二人は事務所で来客者のお茶だしのお手伝いをしている。度会さんと紫さん、それに弓削さんら組のみんながみててくれているから大丈夫。二人ともお利口さんにして待っててくれているはず。 「ねぇマー見て、可愛い‼」 二階の産科病棟に移動し、保育器に入った産まれたばかりの赤ちゃんを廊下から見せてもらった紗智さんがガラス越しに歓声を上げていた。 「俺、小さい頃の記憶がほとんどない。一太くんくらいの頃には、知らない大勢の大人たちと一緒にいた。俺、今度産まれてきてもマーの子供でいたい。マーは?」 辛かったときのことを思い出したのだろうか。今にも泣きそうな顔をされ、うん、不安がらせないように笑顔で頷いた。 「僕も、紗智さんと那和さんのマーでずっといたい」 鞠家さんに焼きもちを妬かれない程度にだけど……… 「良かった」 ホッとしたのか胸を撫で下ろすと、自然と笑顔が零れた。 「未知さん、来月にはこっちに戻ってくるんでしょう」 「はい」 コクリと頷いた。 「それまでは落ち着いているといいね」 出入り口付近を鋭い目付きでウロウロする鳥飼さんと黄さんの方にちらっと視線を向けた。 「なるべく他の患者さんには迷惑を掛けないようにします」 橘さんが南先生に頭を下げてくれた。

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