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番外編 頑なな心をとかすのは

茂原を見つけた、鷲崎さんから連絡が入ったのはその日の夜だった。 詳しい経緯を聞こうとした橘さんや鞠家さんに、 『まずは子供たちの声を聞くのが先だ』と鷲崎さん。 「仕方ないですね」 やれやれとため息をつき、ちょうど夕飯を食べ終わった一太を呼んだ。 「わしざきのおじちゃん、げんき?」 『おぅ。一太も元気そうだな。菱沼組の事務所には可愛らしい看板息子と看板娘がいるって聞いたぞ。偉いな、さすが遥琉の息子』 「うん!」 言われて一番嬉しいことを言ってもらいニコニコの笑顔になった。 「しかしまぁ、どこからその情報を仕入れて来るんでしょうね」 「事務所に盗聴器でも仕掛けているとか」 橘さんと鞠家さんが鷲崎さんに聞こえるようにわざと大きな声で会話をしていた。 『おぃ橘、聞こえているぞ。俺がそんなセコイ真似をするか』 「おじちゃん」 トコトコと遥香が一太のところに駆けていってスマホに向かって声をかけた。 鷲崎のおじちゃんと呼ぶのがまだちょっと難しいみたいで、おじちゃんと呼んでいる。 『おぅ、その声はハルちゃんか』 「あのね、ハルちゃん、ななちゃんとおはなししたい」 『おじちゃんではダメか?』 「うん!」間髪入れずに即答され、がっくりと肩を落とす鷲崎さん。 。

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