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番外編 頑なな心をとかすのは

「分かりました。すぐにそちらに向かいます」 すぐに電話に出た橘さん。 相手は柚原さんみたいだった。電話を切ると、一太や遥香に車から下りて白い車に移動しましょうと声を掛けてくれた。 チャイルドシートから太惺と心望を抱き上げると、橘さんと紗智さんが慣れた手付きで二人をそれぞれ抱っこ紐で背中におんぶしてくれた。 「未知さんも行きますよ」 「橘さん、あの…………」 「未知さんがよく知っている人です。さぁ、早く。時間がありませんよ」 躊躇していたら橘さんに急かされてしまった。 白いワンボックスカーにびくびくしながら近付くと、運転手席のドアが急に開いた。 「…………」 予想もしていなかった人が下りてきたから、驚きのあまり声を失った。 「久し振りだな未知。一太、ハルちゃん、たいくん、ここちゃん元気だったか?」 いつもと変わらない笑顔で子供達の頭を優しく撫でてくれた。 「おぃおぃ、頼むから幽霊を見るようなそんな顔をしないでくれ。ちゃんと付いているぞ足」 片足をあげて見せてくれた。 「良かった無事で…………」 ほっとし胸を撫で下ろした。 「鷲崎さん、鞠家さんや、根岸さん、七海さんは?龍成さんは?」 聞きたいことがやまのようにあって。何から聞いたらいいか分からなくてパニックをおこしそうになった。

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