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番外編 頑な心をほぐすのは

「さっきも言ったはずだ。順を追ってちゃんと説明するって。ただでさえ俺達は目立つ。サツに見付かったら無関係な未知たちを巻き込むことになる。それでもいいのか?」 「いいわけありません」 「なら、まずは家に入ろう。話しはそれからだ」 鷲崎さんに宥められ、胸ぐらを掴んだ手を静かに離した。 「あっ‼りゅうさんだ‼」 「りゅうにいにだ‼」 玄関のドアが開いて家の中から姿を見せたのは龍成さんだった。 一太と遥香はすぐに気が付いて、ダッシュで龍成さんのもとに向かった。 子供好きは遼成さんと信孝さんに似たのかな?面倒くさい、かったるいと口では言いながらも、遊ぶときは思いっきり遊んでくれるからか、一太も遥香も龍成さんが大好きだ。 「一太、ハルちゃん、お前らが大好きな、七海が待ってるぞ」 「ほんと?」 七海さんの名前を聞くなり遥香の目がキラキラと輝きだした。 「あぁ、嘘ついてどうすんだ」 「ハルちゃん、ななちゃんにあいにいこう」 「うん‼ハルちゃん、ななちゃんとあちょぶ」 移動の疲れも見せず一太と仲良く手を繋ぐと家の中へ一目散に駆けていった。 「橘、柚原、荷物はあとで下ろすからお前らも早く中に入れ」 龍成さんと何気に目が合いクスリと笑われてしまった。 「ごめんな、悪気はないんだ」 何がそんなに面白いのかな?必死に笑いを堪えていた。 「いやな、二人して首を傾げて、きょとんとしている姿が本当ソックリで」 「だって二人は親子ですよ。似てて当たり前ですよ。さぁ、中に入りましょう。未知さん足元に気を付けてくださいね」 橘さんに促され、紗智さんと一緒に家の中に入った。

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