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番外編 生きてさえいれば
橘さんのあとを追いたい気持ちをぐっと堪える柚原さん。
「優璃と約束したから・・・・・何があっても片方は絶対に生き残るって」
鼻をズズっと啜ると、構ってと言わんばかりに足首にしがみつく太惺をよいしょっと笑顔で抱き上げてくれた。
「下唇をそんなに伸ばさなくても、おじちゃんとままたん、すぐ帰ってきて、たいくんと遊んでくれるよ。一緒に待ってような」
あーうーと小さなお手手を伸ばし、うっすらと残る髭のあとをペタペタと楽しそうに触る太惺。
キャキャとはしゃいでいた。
「離れずにみんなここにいよう。那和、もう少し我慢できるか?」
「うん、僕は大丈夫」
ななちゃんかぁいい‼を連呼され、恥ずかしそうに頬を赤くしていた。
「遥琉、お前もだ。動くな」
「あ?」
「あ?じゃねぇよ。サツが彷徨いているんだ。見付かったらそれこそ面倒だろう」
柚原さんに言われ、しゃあないなぁと面倒くさそうに頭を掻きながら、近くにあった椅子に腰を下ろした。
彼が大好きな一太。今ならパパを独り占めして甘えられると、すぐに駆け寄って抱っこをせがんだ。
「おぅおいで」
目を細め両手でしっかり抱き締めて、嬉しそうに抱き上げてくれた。
「こんなにも可愛くて愛おしいのに、何で酷い事件があとを絶たないんだ。血の繋がりがあってもなくてもそんなの関係ないのにな。子供は親を選べないんだ。少しでも不幸な子供が減ればそれでいいじゃないか」
寂しそうにポツリと呟いた。
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