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番外編 恋う(おもう)

「うちの子を嫁にやるために日本に行かせたんじゃない。まぁ、要約するとそんな感じです。かなりご立腹の様子ですが、まぁ、いずれこうなると予想はしていたみたいですよ」 地竜さんからのメールを訳した文章を、橘さんが分かりやすく説明してくれた。 「で、鳥飼のどこがいいんだ」 向かい合ってソファーに座る彼と黄さん。 通訳担当の紗智さんと那和さんは、黄さんが笑わないしすぐ睨むから恐いと言って彼の両隣にびくびくしながら腰を下ろした。 「鳥飼じゃない。鳥(ニィァォ)だって言ってるよ」 「まるで猫の鳴き声みていだな。分かったよ、鳥(ニィァォ)って呼べばいいんだろう」 「黄は、強い男が好きなんだって。ボスの警護で日本に来る度、鳥(ニィァォ)のことずっと気になっていたみたいだよ」 「惚れ惚れするくらい強くて格好よくて、意気がっている男の弱い姿みたら、守ってあげたくなったみたい」 「心臓を撃ち抜かれたって」 「あぁ、そうなんだ。それは良かったな」 まさかのろけ話を延々と聞かされるとは思ってもみなかったみたいで、彼も橘さんも呆気にとられていた。 そうこうしているうち、鷲崎さんが鳥飼さんの手首を掴み無理矢理連れてきた。 俺の鳥(ニィァォ)に触れるな‼と言わんばかりに目を吊り上げ鷲崎さんを睨み付けた。

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