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番外編 恋う(おもう)

ギシッとベッドが軋み彼が布団にそぉーと潜り込んできた。 「お疲れさま」 「遥琉さんこそお疲れさま」 「俺は何もしていないさ。煙草臭くないか?」 遅くまで橘さんや鷲崎さんらと話し込んでいた彼。 「じゃあ、さぁ、酒臭くないか?」 いちいち聞かなくてもいいのに。変なところが真面目なんだから。うん、大丈夫。頷くと、安心したように、ギュッと抱き締めてくれた。 「キスしたらお腹の子に焼きもちを妬かれるかな?」 さっきからおなかをぽこぽこと蹴ってくる我が子に苦笑いを浮かべていた。 「頼むからいい子にしてろよ」 言い終えるや否や、おでこに温かで柔らかなものがそっと触れた。 「そういえば千里から貰ったものって、変わった形のピンクのローターだろう?」 おなかを優しく撫でながら、そんなことをぼそりと言われ、全身から血の気が引くのを感じた。 「何で分かったのっていう顔だな、図星か」 クスリと彼に笑われた。 「まぁ千里のお節介やきは今にはじまったことじゃない。だろう?」 「遥琉さん、あの………」 羞恥心に頬を朱色に染めながら、モジモジしながら上目遣いに見詰めた。 「お楽しみはあとに取っておいた方がその分ワクワクするだろう?未知が無事に赤ん坊を産んだら試してみよう。それまで我慢する」 彼の口唇が唇にそっと静かに重なってきた。 っ……ん、あえかなため息を漏らすと、臀部をそろりと撫でられた。 「そんな甘い声をだされたら、我慢出来なくなるだろう?」 困り顔で彼に笑われてしまった。

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