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番外編 心望の初節句
「でもカメレオンさん無事で良かった」
「地竜と同じく不死身だからな」
「あの、一つ聞いてもいいですか?」
契兄弟の話しを聞いて、どうしても気になることがあった。
それは地竜さんにも契兄弟がいるのかなってことだった。もしいたとしたらその人を僕は知らず知らずのうちに傷付けていたことになるから。ちゃんと誤解を解いて謝らないといけない。
「えっと……」
でもいざ聞こうとしたら、どう言葉を掛けていいのか分からなくなってしまった。
「もしかして度忘れしたか?」
えへへ、笑って誤魔化した。
「あのね柚原。マーは、多分だけど地竜にも契兄弟がいるのかって聞きたいんだと思うよ」
「は?俺が知る訳ないだろう」
「じゃあさぁ、それっぽい人地竜の側にいなかった?」
「んなこと言われてもな…………」
那和さんに言われて、首を傾げながら柚原さんが外に目を向けた。
「てか那和、地竜と行動を共にしていたお前の方こそ詳しいんじゃないか?」
「マーみたいに可愛い子がいればすぐ分かるよ。でもみんなゴツゴツした厳つい大男ばっかりだし……ねぇ、紗智。心当たりない?」
「いきなり聞かれても………」
紗智さんも困り顔になってしまった。
「悪かったな、厳つい大男で」
数人の手下を引き連れ地竜さんが颯爽と姿を現した。
「黄《ファン》と变色龙《ビエンソーロン》には困ったものだ」
ため息をつきながらソファーに腰を下ろした。
「未知おいで」
手を引っ張られ隣に腰を下ろすと、地竜さんが嬉しそうに膝の上にごろんと横になった。
「那和、紗智、マーを少しだけ貸してくれ。ここが一番落ち着くんだ」
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