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番外編 カメさん

「姐さんはみんなのマーだから、姐さんだけは焼きもちを妬くなと教えはいるんだがすまない」 ううん、首を横に振った。 「睦さん、自分のことのように喜んでくれていた。俺が生涯の伴侶に巡り合い、幸せな結婚が出来るようにと願掛けをしてくれていたみたいだ。黄はちょっと…………じゃない、かなり強引で俺様なところがあるが、こんな年上の四十近いおっさんの俺のことを好きだって言ってくれた。だから彼を信じて一生付いていくことに決めた」 「鳥飼さんがそれで幸せなら・・・・黄さんと幸せになってください」 「姐さんありがとう」 鳥飼さんの表情がぱぁ~と明るくなった。 でも黄さんには面白くなかったみたいで。 わざとらしく咳払いをすると、むっつりとした表情を浮かべ、踵で鳥飼さんの足の甲を踏みつけた。 「いたっ‼」 そんな二人をカメレオンさんは冷ややかな眼差しで睨むように見詰めていた。 「おぃカメレオン。子供達の前ではおっかない顔をするなって言ってるだろう。こっちに来い」 一太と遥香と一緒に折り紙をして遊んでいた彼が、カメレオンさんに声を掛け手招きした。 たまたま居合わせた紗智さんも通訳として呼ばれたけど、一切笑わない黄さんとカメレオンさんが苦手な紗智さんは首を横に振り断固拒否の構えをみせた。 「たく、しゃぁないな。那和は?」 「橘さんと和江さんと一緒に買い出しに行ってる。高行さんは惣一郎さんと出掛けてるし・・・・・やっぱり俺しかいないよね」 丸い椅子を持ってくると、カメレオンさんの顔色を伺いながら、おっかなびっくり隣に腰を下ろした。

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