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番外編俺の、愛おしい人

「面会時間終了の時間ですよ」彼じゃなくて看護師さんに見付かりそそくさと病室を後にした弓削さん。 「写真忘れているよ」 あとを追い掛けようとして、ベットから起き上がったら、軽い目眩がして体がふらつき丸い椅子に躓き転びそうになった。 「△×○△!」 日本語じゃない言葉で叫びながら男性が寸でのところで抱き止めてくれた。 「ありがとう。えっと・・・・」 見上げるくらい背の高い男性だった。ぱっと見た感じ日本人だけど、話している言葉は多分中国語かな? 半袖のグレーのシャツを着ていた。 右腕を怪我しているのか包帯をグルグル巻いていた。 もしかして、厚海先生が話していた人かな? だとしたら僕の命の恩人だ。 中国語でありがとうは、確か・・・ 「谢谢(シエシエ)」 自信がないから小声で返した。 すると一瞬驚いたように目を見開き、嬉しそうに目元を綻ばせた。 今まで笑ったことがないのかな?ぎこちなくニコリと笑いかけてくれた。 もう一人の男性が看護師さんを連れてきてくれた。 そんな大袈裟にしなくても、なんともないのに。 あれ、この人・・・・見覚えがあった。 一回しか会ったことがないけれど、地竜さんと一緒にいた人だ。遥香が助けようとした亀を助けてくれた人。 「黄さん、谢谢(シエシエ)。あのときはありがとう」 お礼を言うと、吃驚したように驚かれた。

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