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番外編 俺の、愛おしい人

「あのね、遥琉さん」 「ん?どうした?」 「やっぱり何でもない」 昨晩のことを彼に伝えるべきなんだけど躊躇してしまった。 はなから怪しいと疑って、もし間違いだったら鈴木さんという看護師さんに迷惑を掛けしてしまう。 お世話になっている厚海先生にも迷惑を掛けしてしまう。 「鈴木とかいう名前の看護師のことだろ?」 「へ?」 なんで分かったの? もしかして、病室に監視カメラでもあるのかな?辺りをキョロキョロ見回していたら彼に「そんなモノあるわけないだろう」クスリと笑われてしまった。 「ウーとフーに無表情でジロリと見下ろされたら、普通はビビるもんだ。厚海先生や他の看護師は二人が怖いのか、なるべく目を合わせようとしないだろう。でも彼女だけは違った。今、柚原らに彼女のことを調べさせている」 ウーさんがすっと足音も立てずに病室に入ってきた。 何かを彼に懸命に伝えようとしていた。

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