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番外編 俺の、愛おしい人

ログハウスは修繕中みたいでペンションにそのまま真っ直ぐに帰った。 懐かしくてあちこちキョロキョロと見回していたら、転んだら大変だからと彼が然り気無く手を繋いでくれた。 「今さら恥ずかしがることでもあるまい」 顔を真っ赤にし俯いたらクスクスと笑われてしまった。 だって恥ずかしいものは恥ずかしいんだもの。仕方がないでしょう。 頬っぺたをこれでもかと膨らませたら、指先でツンツンされて、 「それじゃあ煽っているとしか見えないぞ。ベットに今すぐ直行しようか?」 「は、遥琉さん!」 愉しげな眼差しで瞳を覗き込まれ、顔から火が出そうになった。 「だって未知が好きなんだ。しょうがないだろう」 ごく普通にさらりと言われて、恥ずかしくて身の置き場に困ってしまった。 「たいくんのママとパパは本当に仲いいね」 「ここちゃんのこと絶対に忘れているよね」 太惺と心望をそれぞれ抱っこした紗智さんと那和さんがちょっこりと姿を見せた。 「ママおかえり!」二人の後ろから遥香が元気いっぱい走ってきた。 「ごめんね。ママがいなくて寂しかったでしょう」 「うん。でもね、ままたんとさっちん、なおちゃんがいたから、さみしくなかった。あとね、あとね、ハルちゃんね、ママにあげたくて、ままたんとクッキーつくったんだよ」 「ありがとうね」 よいしょと抱き上げると、前よりずっしりと感じる重みに娘の成長を感じ、嬉しくて泣きそうになった。 「もう、なきむしなんだから」 「だってママ、遥香にすごく会いたかったんだよ」 「ハルちゃんもママにあいたかった。おかえりママ」 「うん、ただいま」 鼻を啜りながらもむぎゅと抱き締めると、にっこり、ニコニコの笑顔を見せてくれた。

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