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番外編俺の、愛おしい人

彼から渡された日記には、僕が記憶をなくした日から昨日までのことが綴られていた。 「たいくんとここちゃんの成長日記は和江さんや橘さんが書いていたから、バーバはマーのことを書いてたんだ。はい、ミルク多めのカフェオレだよ」 那和さんと紗智さんが両隣に腰を下ろしてきて、甘えるように肩に体を擦り寄せてきた。 「おなかが大きいから、膝枕が出来なくてごめんね」 「大丈夫だよ。こうしてマーの側にいれるだけで幸せだから。お帰りマー」 「僕もマーの側にいれるだけでじゅうぶん幸せ。お帰りマー」 紗智さんも那和さんも鼻を啜りながらも、エヘヘとはにかむような笑顔を見せてくれた。 二人にただいま、子供たちをみててくれてありがとう。お礼を言ってから少し温めのカフェオレを一口、口に運び日記を読み進めた。 「ねぇ紗智さん、那和さん、僕どうしたらいい?」 知りたかった玉井さんのことが書いてある日記を見付け言葉を失った。 「本当なの?玉井さんが……そんな、嘘………」 予想 もしていなかった結末に愕然とした。 「マー」那和さんが静かに口を開いた。 「真沙哉()が出所したら、真っ先に玉井さんや茂原さんに謝りたい」 僕が混乱しないように、玉井さんの話しや、地竜さんの手下だった炎竜さんと茂原さんの話しを言葉を選びながら聞かせてくれた。

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