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番外編 俺の、愛おしい人

ギュッと抱き締められて、愛してるよと耳元で囁かれ、口付けられると、甘い吐息が唇から零れた。 「……一緒に、寝よう。たまにはいいだろう?」 「あ、でも……」 恥ずかしいけど、はいって答えるべきなのかな?何も出来ないかも知れないけど、彼にだけは嫌われたくない。 おなかをチラッと見下ろした。そしたら彼が急にぷぷと笑い出した。 「ただ一緒に寝たいだけだ。悪戯はするかもしれないが、ヘンなことはしない。ベビハルが無事に産まれて、未知の体力が戻るまでエッチは我慢するって、橘と約束をしたんだ。ただでさえおっかないのに、未知のことになると角が一本どころか三本生えるんだ。マジで怖いんだぞ」 泣く子も黙る菱沼組の組長さんも、橘さんには相変わらず敵わないみたい。 「遥琉さんと橘さん、全然変わっていないね」 僕まで彼につられてぷぷと噴き出してしまった。 「いつものように尻に敷かれている。まぁ、それでうまくいっているんだから、いいんじゃないか」 そう言いながらクローゼットを開けると、布団一式を引っ張り出し、一太が寝ている隣に敷いてくれた。 「夜中に太惺と心望が目を覚まして、未知がもし寝惚けてて、ベットから落ちたらそれこそ大変だ」 「ありがとう遥琉さん」 「いちいち礼はいらない。俺達、夫婦なんだぞ。年はうんと離れているが、気を遣わなくていい」 「うん」 ニコッと笑って一緒に布団に横になると、すぐに腕が回ってきて腕枕をしてくれた。

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