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番外編 俺の、愛おしい人

ウーさんは、フーさんの名前が出たから、てっきり悪口を言われたと勘違いをしたみたい。 鞠家さんがウーさんに中国語で説明をすると、ようやく納得したのか彼と鞠家さんにシェ シェと謝っていた。 「ママ、ハルちゃん、とりしゃんのはなよめしゃんみたい!」 遥香が橘さんと仲良く手を繋ぎ、ニコニコしながら入ってきた。 「ままたんもみたいでしょう」 「えぇ、そうですね」 袖を引っ張られ、前屈みになりにっこりと笑って答えた。 「鳥飼の花嫁姿だと?冗談は止してくれ」 「そんなことを言ったらまたウーさんに怒られますよ。遥琉、いい案があります。一太くんの卒園式の日に、お世話になった。惣一郎さんと和江さんを招待してお祝いの席を設けたら如何ですか?その席上でサプライズとして二人の結婚式を挙げるというのは?」 「それいいかもしれない」 彼が窓の外にチラッと目を遣ると、何も知らないフーさんが目を鋭く光らせ、庭を見回っていた。 「フーには俺から説明する。あとは、鳥飼をどうやってここに連れてくるか、それが問題だな」 鞠家さんがう~んと唸っていた。 「お、そうだ一太がいる」 彼がなにかをひらめいたみたいだった。 橘さんも同じことを考えていたみたい。まさに以心伝心。 「そうと決まったら善は急げだ。ウー、お前も付き合え。は?姐さんの側を離れる訳にはいかないだって。少しくらい大丈夫だ」 職務を放棄する訳にはいかないと渋るウーさんを鞠家さんが半ば強引に連れ出した。

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