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番外編 俺の、愛おしい人

紗智さんと那和さんにも早速伝えると、二人とも驚いていた。 「鳥飼の花嫁姿でしょう。冗談だよね?」 「那和、フーに怒られるよ」 「だって、想像もつかないから。ねぇ、たいくん。そうだようね?」 「たいくんに聞いても分からないよ」 クスクスと紗智さんが笑っていた。 太惺と心望も無事に一歳の誕生日を迎えた。 まだ二人ともあんよが出来ないから、テーブルに掴まり立ちし、目の前にある二つ並んだ可愛らしいバースディーケーキに興味津々。 和江さんが近所にあるレストランのパティシェさんに頼み、太惺と心望でも食べれるケーキを作ってもらった。 甘さ控えめのヨーグルトクリーム。 1と数字が書かれた赤いろうそくが一本立っていて、クッキーのプレートには【Happy birthday たいせいくん】【happy birthday このみちゃん】とそれぞれチョコペンで書いてあった。 その隣にトッピングされたくまのフィナンシェが何とも可愛らしい。 二人ともそのくまのフィナンシェを早速見付け、小さなお手手を伸ばし、あー、あーと声を上げていた。 僕はというと、心さんと千里さんから届いた誕生日プレゼントに同封されてあった二人からの手紙を彼から受け取り、そこではじめて心さんも千里さんも養子を迎えた事実を知り腰を抜かすくらい驚いた。 遥琉さんの意地悪! なんでもっと早く教えてくれないのかな? 「フーさん、どうしたのかしら?」 和江さんが料理を運んできてくれた。 「また、めっちゃ、機嫌悪いの?」 「その逆よ。笑う顔、初めて見たかも」 「あの鉄仮面のフーが?」 「嘘」 紗智さんも那和さんも自分の耳を疑っていた。

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