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番外編 好看
そのとき首から下げていたスマホがブルブルと震えた。
「さっきもそこから動くなって言ったろ?おめさんは、車で大人しく待ってろ」
そんなに大きな声を出さなくても聞こえるのにな。
「は?言ってることがわがんね?俺もおめさんの言ってることがわがんね。はっきり言え」
訛りのイントネーションがおかしくて、堪えきれずにぷぷと吹き出した。
「ごめんなさい」
「お、笑う余裕が出てきたな」
電話を切った先生が僕のところに来ようとしたけど、ウーさんとフーさんに行く手を阻まれた。
「俺は医者だ。患者を見せてくれ。たく、しょうがねぇな」
先生が黒い鞄をフーさんに手渡した。
「事情は惣一郎さんから聞いてる。だから、看護師を車で待機させているんだろうが。納得するまで中身を確認しろ」
ウーさんには、
「ボディーチェックするんだろ?触られるのは、おめさんの方がいい」
自分からボディーチェックを要求した。
ウーさんはどうしていいか分からないみたいで、橘さんや和江さんに目で助けを求めた。
「先生、ウーさんが困ってますよ」
「おめさん、ウーっていうのか?ウーということは………亀か?だから、そっちは鶴なんだな。誰が名付けなんだ?センスがねぇな」
ゲラゲラと声を立てて笑い出した。
「先生、罪を償いながら日本でずっと暮らせるようにと、卯月さんが真剣にちゃんと考えて名付けてくれたんですよ」
和江さんかなりムッとしていた。
「悪がった」
先生もしまったと思ったみたいですぐに和江さんに謝っていた。
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