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番外編 好看

「あの、先生」 思いきって聞くことにした。 味方なのか敵なのか、いつまでもモヤモヤを抱えたくなかったから。 「おめさんが聞きたいのは、敵か味方かってだろ?」 僕の心の内は見事に看破されていた。 「どっちなんだべな、俺もわがんね」 酢イカを噛りながらはぁ~~とため息をついた。 「九鬼総業が衰退した一番の理由は鳥飼のいうことに一切耳を貸さず、リーと手を組んだことにある。鳥飼は…………なんだべな、おっかね顔して来んな。おめさんには用はない」 鳥飼さんの名前が出た時点で目を吊り上げてフーさんが飛んできた。 『俺の鳥(ニィァォ)を悪く言うな』とでも言ってるのかな? 先生を睨み付け、じりじりと詰め寄った。 「俺の鳥(ニィァォ)………?あぁ、なるほどな」 怪訝そうに首を傾げる先生。 状況を理解するまで少し時間が空いたけど、さほど驚く素振りを見せなかった。 「鳥飼はあぁ見えてもバカ真面目で律儀な男だ。おめさん、見る目があるな」 「やっぱり先生は大阪のN地区で診療所を?」 「さすが早いな。もうバレたのか?んだ、嘘付いてもしょうがねぇ、その通りだ」 「鳥飼さんとはその…………」 「恐らく本人は覚えていないが、一度だけ助けてもらったことがある。ヤツは九鬼総業の組長に相応しい器だったのに…………くそ」 悔しそうに上唇を噛み締めると、ワンカップのお酒を一気に呑み干した。

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