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番外編 好看(ハオカン)

「真っ昼間から酒ですか?」 一太が幼稚園から帰ってくるのを待ちながら、遥香と手を繋ぎ庭を散歩していた彼がひょっこりと姿を現した。 「おめさんと一度でいいから膝を割って話がしたかったんだ。さしでこれが呑みたかったんだ」 先生が黒い鞄からワンカップのお酒を2つ取り出した 「せっかくのお誘いですが、生憎、酒は呑まないんです。気持ちだけ有り難く受け取っておきます」 「なんだべな、噂じゃあかなりの酒豪だって聞いてっぞ」 「もう昔の話です。愛するべき家族が増えて酒も煙草も止めました」 「なるほどな」 「未知、あとは俺が相手をするから」 彼が落ちていた洗濯物をバサバサと振ってから籠の中に入れてくれた。 「ありがとう」 「おぅ」 目を細めニコッと柔らかな笑みが返ってきた。 一番大好きな彼の表情だ。 籠を持ち上げようとしたら、ウーさんが飛んできて代わりに持ち上げてくれた。 「ウーさん、おてつだい?えらいね」 遥香に誉められて恥ずかしそうにはにかんだ。 「ハルちゃんもおてづだいする」 言葉の壁はあっても、たとえ通じなくても、ウーさんもフーさんも少しずつ僕ら家族に溶け込んでいる。それが何よりも嬉しかった。 だからかな?最近二人ともよく笑うようになったのは。 遥香に手を握られてはじめこそ驚いてドキっとしたフーさんだったけど、ニッコリと笑うと、遥香の手を優しく握り返し、二人で仲良くウーさんのあとを追い掛けた。 「おったまげだな」 目の前の光景をぽかんとして眺めていた先生。 やはり先生はフーさんとウーさんを知ってる。それだけじゃない、紗智さんと那和さんのことも………。

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