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番外編 あした、はれますように

「バーバありがとう」 「背中がむず痒くなるから、いちいち礼はいらないって言ってるだろう?父親なんだ、当たり前のことをしているだけだ」 「うん」二人で小さく頷くと、てるてる坊主はもともと中国(ふるさと)の伝説なんだよ、ポツリポツリと話しはじめた。 「昔ね、大雨が降り続けて困っていた国があって、民衆は雨が止むように祈ったんだけど、全然晴れようとはしなかったの。でね、一人のお坊さんが国を訪ねてきて、お経を唱えることで、ぴたりと雨を止ませる事が出来ると言い出したんだ」 「それで国がお坊さんに頼み、雨を止ませるお経を唱えさせた。でも、翌日になっても雨は止まず、お坊さんは殺された。その首を布に入れて吊るしたところ、翌日になって雨が止んだ。僕も紗智も、小さい頃からこの話を聞かされて、まわりにいた大人たちに、言うことを聞かないと、そのお坊さんみたく首をはねて吊るすぞ‼そう脅されてきた」 那和さんと紗智さんの肩はブルブルと震えていた。 「もういいよ………思い出さなくていいから」 思わず二人に駆け寄った。

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