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番外編 あした、はれますように

「そんなことで遥琉さんを嫌いになんかならないよ。僕ね、遥琉さんのお日様みたいなこの匂い大好きだよ。それにこの柔らかな髪も」 手を伸ばし頭を撫で撫でしてあげた。 「ありがとう未知」 嬉しそうに笑っておでこにチュッと口付けをしてくれた。 「パパとママは僕のことをすっかり忘れて、いちゃいちゃして・・・たく、呆れてものもいえませんね」 橘さんの声がどこからか聞こえてきたから驚いた。 「何でいるんだよ。せっかくいい雰囲気だったのに」 「緊急事態なんですから仕方がないでしょう」 上を見上げると太惺がタオルにくるまれて、橘さんの腕の中ですやすやと眠っていた。 「オムツが濡れて気持ちが悪くて泣いていたみたいです。オムツを交換したんですが、すぐあとにブチュブチュ~~とすごい音がして・・・・見たら水っぽいうんちをしてて、背中まで汚れていました。体を拭くよりお風呂に入れた方がてっとり早いと思いまして。お風呂に入れてあげたらよほど気持ちが良かったみたいであっという間に眠ってしまいました。説明は以上です。未知さん、たいくんの着替えを一式出してもらっていいですか?」 「あっ、はい」 「未知は動かなくていいよ」 彼が素早く布団から起き上がってクローゼットに向かってくれた。 そしたら今度は、 「優璃、ちょっと‼」 柚原さんの慌てふためいた声が隣の部屋から聞こえてきた。 「さすが双子ですね。次はここちゃんの番みたいですね。遥琉、ここちゃんの着替えもお願いします」 「おぅ、分かった」 器用に両脇で着替えを支えながら、橘さんもまた慌ただしく隣の部屋に戻っていった。 いちゃいちゃしてても一向に構いませんが、明日寝坊しない程度にしてくださいね。そうしっかりと釘を差していった。

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