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番外編 結婚典禮

「一太、遥香、お茶を配り終わったらパパのところにおいで」 彼が二人に声を掛けると、 「はぁ~い!」元気な返事が帰ってきた。 紙袋から取り出したのは真っ白なタキシードと、和江さんとご近所のおばちゃんたちが作ってくれたウェディングブーケだった。 二人が着るタキシードは結婚祝いに睦さんと颯人さんが贈ってくれたもの。オーダーメードで袖口には寄り添う二匹の鶴が刺繍されてある。二人に末長く幸せになって欲しいと願う睦さんの想いが込められている。 「一太はタキシード、遥香はウェディングブーケ。これをとりしゃんに渡してきて欲しいんだ」 「わかった」 「ハルちゃんもわかった」 背中に隠しながら………といっても見えているからバレバレなんだけど……二人はそぉーと鳥飼さんに近付いていった。 (こっちは準備万端だ) 後ろから鞠家さんの声がしてきた。 (二人も連れてきたよ) 紗智さんの声も聞こえてきた。 「とりしゃん、みんなからのプレゼントだよ」 一太から真っ白なタキシードを渡され、 「とりしゃん、どーぞ」 遥香からウェディングブーケを渡された鳥飼さん。 「………嘘………なんで………」 目を丸くし、信じられないとばかりに首を振った。

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