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番外編 ウーさんはじめての焼きもちを妬く
男性陣はお酒を呑みながら談笑していた。話題は専ら鳥飼さんとフーさん、そして若先生とウーさん。
子どもたちは和江さんと一緒に作った野菜がたっぷり入ったカレーを美味しそうに頬張っていた。
あのあと……
鳥飼さんの決意を耳にしたフーさんは有無をいわさず鳥飼さんをお姫様抱っこすると、そのまま連れていってしまった。
まさか40になってお姫様抱っこされるとは思わなかった鳥飼さん。
彼も那和さんも、その場に居合わせた人全員、一様に唖然としぽか~~んと口を開けていた。
「フー下ろせ‼頼むから下ろしてくれ‼」
火傷の傷がまだ完治していないから暴れる訳にもいかず。
「あらまぁ、仲がいいこと」
騒ぎを聞き付けて様子を見に来た紫さんにまでオホホと笑われ、頑張るのよ~~と手を振られてしまった。
「これじゃあ、恥の上塗りだ」
がっくりと肩を落とし、最後は抵抗するのを諦めたのか、ぎゅっとフーさんの胸元にしがみつき、迎えに来ていた車に一緒に乗り込んだ。
「何だおめさんらあっぱぐち開いて」
入れ違いに姿を現したのは若先生だった。
あっぱぐち?ん?
福島の方言難しいから全然分かんない。
「おらもウーを抱っこしてみっかな。あれ?ウーは?」
キョロキョロと辺りを見回し、すぐに姿を見付けるとすごい早さで駆け寄った。
(一回だけでいいから、抱っこしてもいいか?)
そんなふうに聞いているのかな?
若先生が腕を伸ばした瞬間ーー
抱っこされるよりする方が早いとばかりに、ウーさんが若先生を軽々と横に抱き上げた。
これには若先生もかなりびっくりして目をパチパチしてウーさんを見上げていた。
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