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番外編 ウーさん初めての焼きもちを妬く

窓が揺れ渦巻くようにしてガラスを打ちつける風に目が覚めた。 彼を起こさないように、そぉーと布団から抜け出し、カーテンを少し開けて外を見ると、辺り一帯深い霧に包まれていた。 すべての人・物を飲み込む、まるでブラックホールのような濃霧に恐怖を感じ、すぐにカーテンを閉め布団に潜り込んだ。 「どうした?」 「起こしちゃったよね。ごめんなさい」 「気にするな。しかし、ウーと若先生には参った。人騒がせなカップルだな」 「うん。まさか那和さんにまで焼きもちを妬くとは思わなかった」 逞しい胸元に頬を擦り寄せると、腰に腕が回ってきてお腹を労りながらそっと静かに抱き締められた。 あれから1時間くらいですぐに帰ってきた3人。 呑み直しだとばかりに度会さんらとさしで呑みはじめた。 シャワーを浴びていつものようにバスローブを一枚羽織っただけの格好で缶ビールを片手にふらっと現れた那和さんを、かなり酔っ払っていた若先生はウーさんだと勘違いして抱き付いたのだ。 デート中もなかなか若先生が手を繋いでくれなくて。その上、すれ違う浴衣姿の女性にすぐに目がいく若先生にイライラを募らせていたウーさん。 当然ながら烈火のごとく怒り出した。 こんな可愛げもない俺より、何千倍 もかわいい那和と付き合ったら?俺なんかどうでもいいんだろう?そんな捨て台詞を残してリビングから出ていってしまった。 そして真っ直ぐ向かった先はなぜかここだった。

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