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番外編 ウーさん初めての焼きもちを妬く
「ウーしゃん、どうちたの?」
ちょうど夜泣きの真っ最中だった遥香が、ピタリと泣き止んで、ハイハイでウーさんに近寄っていった。
「なんでないてるの?だいじょうぶ?」
ウーさんは若先生のことが大好きなのに、真っ正面から好きだとハッキリと言えない自分の不甲斐なさが悔しくて泣いていたんだと思う。
遥香によしよしと宥めれるうちにいつの間にか二人仲良く一緒に眠りについていた。
ひとつの布団にウーさんを真ん中に一太と遥香が服にしがみついて眠っていた。
「一太、起きたら間違いなくびっくりするだろうな」
「うんそうだね」
「それにおっきい子どもがまた一人増えたな。頼むからこれ以上は増えんでいいぞ」
彼と目が合うなりクスクスと笑いが零れ落ちた。
それから数分後・・・・・・
きゃーきゃー!!
きゃっきゃっ!!
ウーさんのお腹の上に乗りぴょんぴょんと跳び跳ねる子供たちの歓声が寝室に響いていた。
窓を叩く風の音が五月蝿くて目が覚めた一太。すぐにウーさんと目が合い、あれウーさん、なんでいるの?不思議そうに首を傾げながら、眠り眼を何度も擦っていた。
そのうち遥香も目が覚めて。
「ウーしゃんとあそびたい。パパだめ?」
今にも泣きそうな目で娘に見詰められたら彼も駄目とは言えず。
O.K.をもらうなり寝起きとは思えないくらい元気に遊びだした。
風の音よりも賑やかにはしゃいでいるのに太惺と心望は熟睡してて全く起きる気配がなかった。
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