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番外編ウーさんはじめての焼きもちを妬く

「あとで地竜に怒られても知らねぇぞ。マーでも姐さんでも、お前の好きな呼び方で呼んだらいい」 彼の言葉を紗智さんが訳してくれた。すると嬉しそうににっこりと微笑んでくれた。 「那和、ウ―さんが昨日のこと謝りたいって。だから隠れていないで出て来たらいいのに」 「じゃあさぁ絶対に怒らない、焼きもち妬かないって約束してよ」 那和さんがこれでもかと頬っぺたを膨らませ、ドアから顔だけ出した。 「若先生も酔っ払っていたとはいえ、不愉快な思いをさせてしまってすまなかった。そう謝っていた。今回だけ許してやれ」 「僕が人妻って若先生、絶対に分かってない」 「バーバがあとでちゃんと説明するから、そろそろ機嫌を直してくれ」 彼に言われ、びくびくしながらもダイニングに入ってきた。 ウーさんがごめん、そう言ってるのかな? 深々と頭を下げた。 「さぁ、仲直りしたことですし、朝御飯を食べてください」 橘さんに促され椅子に座ろうと背凭れに手を置いた那和さん。 そこで紗智さんとアイコンタクトを取ると、静かに口を開いた。 「那和、無理してまで話すことはない」 「まだ何も言ってないよ」 「古狸のことだろう?なら、尚更だ。まずは飯を食え。冷めたら美味しくなくなる」 「バーバありがとう」 「だからいちいち言わなくてもいいって。ほら紗智も座れ。あと、ウーお前もだ。飯はみんなで食べた方が旨いからな」 彼に言われ那和さんと紗智さん、そしてウーさんも椅子に腰を下ろした。 「おぃ‼そこ俺の席だ‼」 一足遅れた鞠家さん。 紗智さんの隣の席を那和さんとウーさんに取られ、ガックリと肩を落としていた。

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