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番外編 古狸と狐狸妖怪
ーーヤブ医者から何か預かってないか?
女の居場所を知ってて匿っているとロクなことねぇぞ!!
これ以上余計なことに首を突っ込むとタダじゃおかねぇ。分かってんのか!!ーー
あのあと5分もしないうちに駐在さんが駆け付けてくれたみたい。
「古狸め、脅すだけ脅して蜘蛛の子を散らすようにあっという間にいなくなった」そう度会さんが話してくれた。
一時間くらいして度会さんたちも何とか無事に帰ってきた。
「死んでも消毒液だけは絶対にイヤだ」
「ちょっと‼それじゃあ、怪我の治療が出来ないでしょう」
「こんなの掠り傷だ」
消毒液が嫌いな柚原さん。断固として拒否して、傷の手当てをしようとした那和さんを困らせていた。
古狸に銃口を向けられた柚原さんと鞠家さん。
惣一郎さんや和江さんらカタギの人間を巻き込むわけにはいかないと、丸腰なのに一歩も引かず古狸を睨み返したみたい。
ーー銃を捨てろ‼ーー
駐在さんが銃を構え古狸の背後に回った。
ーーおいおい手が震えているぞ。大丈夫か、お前?ーー
ニタニタと薄笑いを浮かべ引き金を引こうとした古狸に、駐在さんが威嚇するため発砲した。
ーーどこ狙ってんだ。下手くそーー
げらげらとバカにするように笑いながら、柚原さんと鞠家さんに向かって引き金を引いた。
至近距離で狙われたらひとまりもない。逃げる間もなかったはず。
でも二人は元殺し屋と、元刑事。
寸でのとこでさっと身をかわした。
「もし怪我をしたら優璃が看病してくれるかな、優しくしてくれるかな・・・・・余計なことを考えていたらドジを踏んじまった」
ほんの一瞬、時間にしてわずか数秒。躊躇した柚原さんの頬を弾が掠めていたみたい。
「たく、あなたという人は・・・・」
お昼寝したくない‼と言わんばかりに駄々を捏ねていた遥香と太惺と心望を寝かし付けていた橘さんが、やれやれとためいきをつきながら広間に戻ってきた。
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