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番外編 古狸狐狸妖怪

市内にあるHケ丘病院は昭和8年に福島県で初めての精神病院として開業した歴史のある総合病院だ。 車で5分ほどの距離に産婦人科のクリニックがあるみたいで、若先生が知り合いのつてを辿り、助け出した女性を仮名で……本名すら教えてくれなかったみたい。 ここの病院に入院させた。 オンラインで夜遅くまで千里さんら、本部の幹部のみなさんと話し合っていた彼。 ーーいゃ~~ん、もぅ‼目にくまが出来ちゃうじゃないの。夜更かしは美肌の大敵なのよーー 日付が変わると同時に千里さんの一言で話し合いが終わったみたいで、今晩も話し合う予定になっていた。 「じゃあ未知、行ってくる。留守番を頼む」 「うん」 彼と弓削さんとで女性の見舞いに出掛けることになった。 古狸とカレンさんに見つからないように必要最低限の人数で。 若先生とは病院で落ち合うことになっているみたい。 ウーさんは朝からそわそわして、何も手に付かない様子だった。 「女みたくうじうじしているヤツはだっ嫌いなんだ。ウー、お前も一緒に行くぞ。女に直接会って、白黒ハッキリ付けたらいいんだよ。若先生は俺のだ、誰にも渡さないってな」 ウーさんはちらちらと僕の方を何度も見ていた。 「今日はマーの弾よけは休みだ。ウー、病院が終わったら若先生と二人っきりでデートしてこい」 鞠家さんが彼の言葉を通訳してくれた。 「鞠家、余計なことは言うなよ」 「まだ何も言ってないぞ」 「まだってことは言うつもりだったろう?まぁインター沿いにラブホはいっぱいあるからな。目立つ行動だけはするな、そう釘を刺しておけ」

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