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番外編 古狸と狐狸妖怪

それからしばらく考え事をしていたウーさん。何かを決心したか、大きく頷いて、鞠家さんや紗智さん、那和さんらに話し掛けた。 「そうくると思ったよ。誰も引き取り手がないなら俺と紗智で引き取ろうと考えていた」 鞠家さんにはウーさんがどう答えるか分かっていたみたいで、さほど驚く素振りを見せなかった。 「でも本当にいいのか?一人でなんか絶対に育てられないぞ。生まれつき足がなく、心臓にも先天性の病気を抱えている。そう長くは生きられないかも知れないんだぞ」 ウーさんが首をブンブンと横に振った。 「マーが言ってた。子どもには罪はない。生まれてきてはいけない子どもなんていないんだって。橘から、親が育てられない子どもは施設に入るんだ、そう聞いた。それに俺一人じゃない。彼がいるって………」 紗智さんがウーさんの言葉を通訳してくれた。 「彼って……若先生のことか?」」 ウーさんは大きく頷いた。 「あぁ見えて医者としての腕は確かだ」 「ウーさん、若先生に逆にプロポーズしたらどうかな?家族になろうって、一緒に育てようって」 ウーさんに僕の言葉が、想いがどうか届きますように。 「マー、シェ シェ」 「だって、ウーさんにもフーさんと鳥飼さんみたく若先生と幸せになってほしいもの」 泣き虫なのは昔からだからしょうがない。 鼻をズズと啜りながら笑顔で返した。

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