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番外編 古狸と狐狸妖怪
ーそうだ、すっかり忘れるところだった。うちのバカ息子、ちゃんとプロポーズ出来たか?惣一郎さんと和江さんに、男ならビシッとしなさいってカツをいれられていたんだよー
「心配しなくても大丈夫ですよ」
ーにしても卯月さんところの未知さん。可愛い嫁こだなー
「へ?」
微妙に噛み合わない二人の会話に、まわりにいた若い衆が必死に笑いを堪えていた。
「卯月、未知、ウーからだ。
俺はマーやオヤジに会えて本当に嬉しい。
死ぬまで側に居てくれると思っていたフーに一方的に別れを切り出され、完全に居場所をなくした俺に、マーやオヤジは優しくしてくれた。
俺が敵なのか味方なのか、裏切るかも知れないのに。
誰にも言えない過去があったっていいじゃねぇか。
一生消えない悲しみがあったっていいじゃねぇか。
大事なのは、若先生と前を向いて一緒に歩いていくことじゃないのか。
ウー、何があっても俺と未知はお前の味方だ。
オヤジに背中を押してもらったから、若先生にプロポーズすることが出来た。ありがとうって、たまにはいいこと言うじゃねぇか卯月。カミさんの尻ばかり追いかけているお前が」
「五月蝿いな」
鞠家さんに耳の痛いことをズバリと言われ彼、グーの音も出なかった。
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