1050 / 3640

番外編 私を信じて

「あっ‼いちたおにいちゃんだ‼なおやおにいちゃんもいる‼」 「ハルちゃんもいる‼」 玄関に入るなり晴くんと未来くんがものすごい勢いで駆け込んできた。 「晴、未来、パパとの約束を忘れたか?」 「わすれてないよ」 「ごめんなさいパパ」 すぐに謝りしゅんとして項垂れる晴くんと未来くん。 「信孝、怒らなくてもいいだろう」 「未知とたいくんとここちゃんにぶつかって怪我をさせたら一大事だ。親父や遼成に怒られるのはこの俺だからな」 彼と信孝さんが立ち話しをしていたら、奥からエプロン姿のナオさんが姿を見せた。 「未知~~‼」 僕の顔を見るなりぱたぱたとスリッパの音を響かせながら走ってきた。 「ナオまで走ってどうするんだ」 「だって、未知にすっごく会いたかったんだよ。それにもう一人の那和にも会いたかったんだもの。那和~~‼紗智~~!!久し振り‼会いたかった‼」 名前の呼び方が同じということもあり、ナオさんと那和さんはすぐに意気投合した。 紗智さんとも大の仲良しだ。 「ナオ~~‼僕も会いたかった‼」 「俺も‼」 三人でびょんぴょんと跳ねながら手を取り合い無事に再会できた喜びを爆発させた。 子どもたちも直矢くんが鬼になってかくれんぼうをはじめた。 元気いっぱい。賑やかな声が家中に溢れた。 「近所迷惑だから、もう少し声のトーンを下げてくれないか?」 信孝さんの話しは誰も聞いていない。だからさぁ・・・・・額に手をあてがい、やれやれとため息をついていた。

ともだちにシェアしよう!