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番外編 私を信じて

服を着るのが嫌で、ハイハイで太惺と心望がお風呂場から脱兎の如く逃げてきた。 「たいくん、ここちゃん、風邪をひくから服を着ようか」 信孝さんとナオさんが二人かがりで何とか捕まえてくれたけど……… 背後から気配もなくぬっと姿を現したフーさんとウーさんに腰を抜かすくらいびっくりして、二人を落としそうになった。 「頼むからいきなり現れないでくれ。ナオがびっくりしているだろう」 2メートルはゆうに越える大男二人に見下ろされ、ナオさん、顔をひきつりながらもエヘヘと笑顔で返していた。 「マー?」 「あっ、えっとウーさんとフーさん、もしかしてナオさんに会うの初めて?ママ友だよ。僕の大切な友だち」 紗智さんと那和さん、のんびりお茶してないで通訳して。何度も目で訴え掛けた。 「あれ?もしかして呼んでる?ナオの入れてくれたお茶が美味しくて。あのね、ウー」 那和さんが二人に信孝さんとナオさんのことを説明してくれた。 「未知専用の弾よけだ。頬に傷があるのがウー。でそっちがフー。鳥飼の旦那だ。新婚ほやほや」 ナオさんはいまいち理解が出来なくて、ぽか~んとしていた。 「ねぇ未知、ママ友会しよう」 子どもたちを寝かし付けていたらナオさんが足音を忍ばせそぉーと呼びにきた。 紗智さんと那和さんも一緒だ。 「ママ友会って?」 「こんな機会滅多にないよ。卯月さん、未知さん借りるよ」 「は?ハグして身体中舐め回して一緒に寝ようと思って、子どもたちを速攻で寝かせようと頑張っていたのに。俺の楽しみを奪う気か?」 神妙な面持ちの彼から出た言葉は顔から火が出るくらい恥ずかしいものだった。 「五人目が産まれたら、毎日でもイチャイチャ出来るでしょう。ママ友会は今しか出来ないの」 「たく、しゃあないな」 ナオさんも僕と一緒で変なところが頑固だから。それを知ってる彼は渋々ながらもO.K.してくれた。

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