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番外編 私を信じて

「ナオ・・・・?」 「もうヤダ」 ナオさんまで顔を真っ赤にして照れていた。 「いいじゃんラブラブで」 紗智さんと那和さんに言われ、ゆでたこのようにますます真っ赤になった。 「だってね、信孝さんに3人目が欲しいってねだられたの。男だし出来るわけないんだけどね。でも赤ちゃんが欲しいって熱っぽく見詰められたら、頑張らなきゃって思うでしょう」 「うん、まぁそうだよね」 「俺も高行さんに赤ちゃんが欲しいってねだられたら、出来ないけど、それでも頑張るかも知れない」 「でしょう」 いつの間にか話しが脱線して、子どもたちには絶対聞かれたくない、下ネタ満載のおとなの話しに内容が変わっていた。 ほろ酔い気分の信孝さんにあと何人子作りに励むんだ?と聞かれ、 あと二人くらいかな? 出来るまで毎日未知とする予定だ。 表情一つ変えず真面目な顔で答えていた。 ナオさんたちは飲んでいたお茶を噴き出しそうになりごほごほと噎せていた。 もう遥琉さんのエッチ。 まだおなかの中に赤ちゃんがいるのに。 恥ずかしくて身の置き場に困った。 「遥琉、お互いののろけ話はこのくらいにして、本題に入る。これから大事な話しをする。いいか?」 信孝さんの声色が急に変わった。 表情もガラリと変わった。 「酔っ払っていたんじゃあ」 「こんなの呑んだうちに入らない。遥琉、未知、明日、ナオの姉に会って欲しい」 「姉⁉ナオって天涯孤独の身じゃあ」 「戸籍上のだ。血の繋がりはない」 「深い事情がありそうだな」 「あぁ、そうだな」 ナオさんが胸の前で両手をぎゅっ、と握り締めたのが分かった。その手は微かに震えていた。

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